ハンドブックシリーズ
  中学校・高等学校「書くこと」の学習指導 ことばの授業づくりハンドブック 中学校・高等学校「書くこと」の学習指導
詳細

A5判・272頁・本体2500円+税
  「書くこと」の授業を成立させるためには、書き手への創作意欲の喚起と書くことのスキルをしっかりと身に着けさせる必要があります。さらに「書き上げたもの」に達成感や充実感を獲得できるようその後の展開も重要となります。これらの実践上の課題を先達の実践事例から学び、魅力的な授業づくりを提案します。
 
  ・学習者のアウトプット能力を引き出す魅力的な具体的実例を多数紹介
・生徒が自発的にテーマを探し、推敲を楽しみ、「自分の言葉で書きたい」「表現したい」と思えるような、
活気ある授業づくりを提案。アクティブ・ラーニング型の授業づくりへのアイデアも満載
・2016年度版 中学校国語教科書(五社)における「書くこと」の課題一覧掲載
 
  第一章 授業づくりの基本的考え方
平野彧・金子彦二郎・大村はま・野地潤家・石黒圭・中洌正堯など 基本的考え方と指導方法を概説
第二章 「短作文」指導

妹尾和弘(《今、ここで》)・深谷純一(「カキナーレ」)・金子泰子(「書くことの喜びを共有する」指導計画)
第三章 「話すこと・聞くこと」との関連指導
田中宏幸(帯単元としてのスピーチ指導)・下橋邦彦(社会問題にテーマを設定した五分間スピーチ)
町田守弘(中学校における表現単元・高等学校単元「青春の聞き書き」・高等学校単元「傷は癒されるか―村上春樹『アンダーグラウンド』の授業」)・藤本英二(高等学校における聞き書き実践)
第四章 「実用的文章」の指導
藤堂浩伸(「相手意識を持って、手紙文を書く指導―中2「手紙を書く」の実践を通して―」)・高澤正男(「自分の思いを伝える手紙を書く」)
山川庸吉(「作中人物になって手紙を書こう―「舞姫」の場合―」)・田中宏幸(「『場』の設定に工夫を凝らした手紙文の指導」)
第五章 中学校における「読むこと」との関連指導
遠藤瑛子(単元「宮沢賢治の世界へ」)・甲斐利恵子(単元「人物の魅力を語ろう」、「月の起源を探る」)・檜垣幸久(単元「文豪に学ぶ」)
第六章 高校における「読むこと」との関連指導
井上雅彦(書くために読む・読むために書く「水の東西」)・川崎啓子(リライト作文「源氏物語」)・杉山英昭(「意欲的に詠むために―読書指導と書くこと―」)・髙田真理子(批評文「現代の表現に迫る!―新聞広告の批評文を書こう―」)
第七章 中学校における「意見文」指導
酒井雅子(単元「バリアフリー社会に思う」中2)・伊藤勝彦(「筆者の意図を読み、考えを意図して書く」『モアイは語る』中2)・山本俊秀(「論理的な文章を目指した作文指導」中3)・杉本賢二(「東日本大震災をテーマとして意見文を書き、ことばの生活に生かそう」全学年)
第八章 高校における「意見文・小論文」の指導
澤田英史(枠組み作文「私の流儀」)・田中宏幸(意見文「私の友情論」)・野村敏夫(「レトリック感覚の育成と活用」)・中井浩一(「脱マニュアル小論文指導」)
第九章 「詩歌を創る」指導
積田明雄(詩の創作「世界でたった一冊しかない、自分だけの『とっておきの詩集』をつくろう」中学)・由井はるみ(短歌の創作「こんな愛もある」高校)・近藤真(俳句の創作 中学)
第十章 「小説・物語・脚本を書く」指導
大村はま(「楽しんでつくる『白銀の馬』」中1)・伊木洋(「いきいきとした批評を生み出す学習のてびきのくふう―「握手」の続き物語を書く―」中3)
木本一成(「中学校文学的文章教材の指導改善についての試み―文学作品をとおして他者の目に気づかせる―」中2)
梶川誠(「日常会話から脚本へ―「自分で見る目」を育てることば指導―」高校)
第十一章 「年間指導計画」の事例
[中学]石川宏子(生活綴方を重視)・巳野欣一(課題条件法による作文指導)・伊木洋(単元学習的展開を試みる)
[高校]篠崎久躬(論理的文章表現力の向上を目指す)・田中宏幸(虚構の作文を優先)
 
「はじめに」より
編者・広島大学大学院教育学研究科教授 田中宏幸
各章においては、授業事例を網羅することよりも、典型的な事例を取り上げ、それぞれの「指導上の工夫」を明らかにすることに重点を置くことにしました。「事例史研究」という側面を維持しながら、各学校の若い先生方が授業開発に取り組まれるときのハンドブックとして生かされるものにしたいと願ったのです。
 (略)
質の高い授業を実現して行くには、真の「生徒理解」(目の前の子どもの実態をしっかりと捉え、言葉にならない子どもたちの思いを受けとめること)を基盤として、「授業を見る力」、「学習指導案や指導記録を読み取る力」、「授業を構想していく力」、「授業を展開していく力」、「授業を評価していく力」を自らに養っていくことが必要となります。それには、本書のように、実践事例を丁寧に分析し、そこから「授業づくりのヒント」を引き出してくることが有効な手だてとなるのではないでしょうか。
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