「はじめに」より
マツダは日本の自動車会社のなかで唯一、真正ブランド戦略を経営の柱に据えた会社である。 2019年に国内で導入されたマツダ2、マツダ3、マツダ6というネーミングは、その証の一つである。 そして、あのロータリーエンジンやスカイアクティブ、さらにはトヨタとの資本提携はどこに向かって、どう進むのだろうか。 この本は、雪だるまのように厳しさを増していく自動車業界のなかで、マツダの立ち位置(現在)や行く末(将来)について考える、元社員の心のモノローグである。
内容紹介
唯一無二のMAZDA
強靭な独自性と飽くなきチャレンジ精神で築き上げたマツダの文化。
マツダの示そうとしてきた真に魅力のある商品とサービスとは何だったのか。
未来の都市に、完全自動運転車は本当に走るのか?
ネットワークとの接続(Connected)、自動運転(Autonomous)、
シェアリング(Sharing)、電動化(Electric)・・・
自動車業界、100年に一度の大変革期にマツダはどう挑むのか。
マツダのこれまで、自動車社会のこれから
一地方の自動車会社が辿り着いた創立100周年。築き上げたスカイアクティブの思想が、これからを生きぬく最高の「強み」として結実するか。
「おわりに」より
いま世の中を支配しはじめているスマホ、eゲーム、仮想通貨(キャッシュレス)等など…。総じて、いまの社会は、本当の人間性みたいなものが見えにくくなった。 宇宙ロケットならいざ知らず、やっぱり完全自動運転(レベル5)の航空機には乗りたくない。私の場合は、自動車も同じ感覚である。 私たちは、これからこの状況をどう克服していったらいいのだろうか。 一方で思うに、人が関わる自動車会社の未来は、人間に想像力や創造力がある限り、まだ十分に明るいのではないか。
著者プロフィール
迫 勝則(さこ かつのり)
1946年広島市生まれ。作家、TVコメンテーター。
山口大学経済学部卒。2001年マツダ(株)退社後、広島国際学院大学・現代社会学部長(教授)、同法人の理事などを歴任。現在は、中国放送「EタウンSPORTS」に出演。