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様々なる結婚のディスコースと女性主体 シェイクスピア・エリザベス・ケアリ、ミドルトン
- 中村裕英
- 01年度学術振興会助成
- A5
- 242
- 5,500円 (本体5,000円 )
- 2001年12月21日
- ISBN978-4-87440-676-2/ISBN4-87440-676-9
- C3098
- 文学・語学/欧米〈文学〉
- 結婚や夫婦関係を扱った劇を取り上げ、女性主体を構成するディスコースや社会的背景に着目、ルネサンス期の女性の発する「声」、結婚している「女性」とはいかなる存在かに迫る。
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- 序 章
第1章 『尺には尺を』――権力・セクシュアリティ・結婚のディスコース――
セクシュアリティの統制の必然性/「置換」の所在/反権力的な声/教会法の改正と若者たち/若者にとって不利な1604年の教会法/結婚に対する親の権威の強化/夫婦のセクシュアリティの価値づけ/若者たちの結婚への強い関心/逸脱したセクシュアリティの結婚による包摂
第2章 『終わりよければすべてよし』――ヘレナの主体表象と"All's well that ends well"の意味――
劇の「現代性」/結婚のディスコースとは/ヘレナの主体/女性にとっての教育/ヘレナの台詞の矛盾/ヘレナの即興演技/商業主義のディスコース/結婚後のヘレナ/"merit"を信じる精神/結婚ディスコースを逆手に取るヘレナ/浪費する夫への対処法/劇のタイトルの意味すること/人生のパラドックス
第3章 『オセロー』――結婚のディスコースとデズデモーナの主体――
『オセロー』批判の変化/夫婦の愛/私的問題の重視/「自然な」結婚/"Mutual love"/過激な女性主体としてのデズデモーナ/プロテスタンティズムにおける夫婦のセクシュアリティ/デズデモーナの主体構成/エミリアの主体構成/イアーゴーの主体構成/結婚のディスコースとオセロー/オセローの主体と付焼き刃的進歩思想/夫婦破綻の過程/妻の殺人とプロテスタンティズムのディスコース
第4章 『冬物語』――ポーリーナという主体とベッドフォード伯爵夫人――
『冬物語』と『パンドスト』との比較/ポーリーナという主体/ポーリーナのシュリュー的性格の正当化/宮廷マスクの歴史におけるベッドフォード伯爵夫人/家父長制度への subversion としての宮廷マスク/ポーリーナとベッドフォード伯爵夫人/『冬物語』の自己再生法
第5章 『メアリアムの悲劇』1――エリザベス・ケアリの主体とコーラスにおける家父長制社会との交渉――
エリザベス・ケアリ/コーラスに見られるフェミニスト的戦略/エリザベス・ケアリの戦略/文学創造者としてのエリザベス・ケアリの主体
第6章 『メアリアムの悲劇』2――三人の妻の主体構成――
『メアリアムの悲劇』のプロット/ヘロデの妻ドーリス/メアリアムの主体構成/サロメの主体構成
第7章 『チープサイドの貞淑な乙女』――夫婦のセクシュアリティとドゥーブル・アンターンドゥル――
『チープサイドの貞淑な乙女』のプロット/卑猥な言葉選び/イエローハンマー夫妻/オールウィット夫妻/ドゥーブル・アンターンドゥルを言わないサー・ウォーター/サー・オリヴァー・キックス夫妻/サー・ウォーター/夫婦愛/タッチウッド・ジュニア/ウェールズの娘とティム/個人主義的恋愛観と豊饒性/セクシュアリティと多産/四旬節における豊饒性
参考文献
あとがき
初出一覧
索 引