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梶山季之の文学空間 ――ソウル、広島、ハワイ、そして人びと――
- 天瀬裕康
- 四六
- 296
- 2,970円 (本体2,700円 )
- 2009年4月1日
- ISBN978-4-86327-059-6
- C0095
- 一般書/文芸評論
- 梶山の生い立ちから親交・師弟関係、ライフワークとした三大テーマと作品にまつわる論考を資料をもとに論述。幅広く活躍し多くの人びとに影響を与えた彼の本質に迫る。
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- まえがき
第一章 作家以前――梶山季之をめぐる人びと
第1節 ソウルから広島へ
半島育ち/京中と地御前/広島と二中・芸陽
第2節 高師時代と異色の恩師たち
高師と広大/体育教師!?/羽白の『点心帖』/真下と卒論の嘉村礒多
第3節 文壇と同人雑誌――中央と広島
「戦後の文学」論/広島の商業雑誌/学生たちの動き
第4節 縁の下の力持ちと先人のこと
広島ペンクラブと広島文学協会/原民喜の短く強烈な影響/金井利博と揺れる梶山の心
第5節 背水の陣を布いて
有難い文学仲間/ノンフィクションと梶季彦/大宅壮一と恩人、友人/付「五期分類」
第二章 朝鮮半島についての作品――良心の問題
第1節 三つの「族譜」を中心に
朝鮮小説群の始まり/広島での「族譜」/上京後の「族譜」/視聴覚化と韓雲史
第2節 「霓のなか」と「李朝残影」
確信犯と美女/小説「李朝残影」/映画「李朝残影」と周辺
第3節 朝鮮半島と日本で
朝鮮小説群の掘り下げ/戦前の話/終戦当時/出稼ぎ型と在日・在韓
第4節 エッセイ・研究・パフォーマンス
歴史の断片/梶山等の記述/日韓基本条約への切り込み/談話、グラビア等
第5節 創氏改名と「族譜」の諸批判
「創氏改名」批判と韓雲史/宮田・他の『創氏改名』/小説「族譜」への批判
第6節 事実と真実、良心の問題
民族の血、贖罪の範囲と理解の限界/演劇「族譜」とその周辺/梶山「朝鮮小説」の総括
第三章 被爆後の広島と原爆文学
第1節 日本ペンクラブと『広島文学』批判
日本ペンマン被爆地へ/その後の一行と残像/山本健吉の意見
第2節 同人雑誌と周辺
梶山たちの反応/第一次原爆文学論争/幻の「原爆の文学」公募
第3節 梶山の初期原爆小説
習作と秀作/小説「実験都市」の粗筋/ある「実験都市」批判/「実験都市」の続編と関連事項
第4節 後期の原爆小説
広島と岩国/ショッキングな状況/「ケロイド心中」の粗筋/原爆と心中・不倫
第5節 創作以外の作品と仕事
ドラマと背後/無署名の記事で/伝記と匿名の寄付/エッセイその他
第6節 社会小説・政治小説
「振興外貨」と「地面師」/『小説GHQ』/その後の出来事
第四章 ハワイと移民――社会小説、経済小説
第1節 名声確立と流行作家
スターダムに向けて/『黒の試走車』とその後/『赤いダイヤ』のこと
第2節 ハワイ移民と作業唄
ハワイ大学の図書館へ/小説「ホレホレ節」/〈ホレホレ節〉考/日本人移民の資料
第3節 太平洋という舞台
ハワイと太平洋民族/広範囲の交流/島々の話/太平洋大学
第4節 アメリカ合衆国
スパイがいっぱい/アメリカ東南部/北米をまたにかけて/「めりけん無宿」
第5節 中南米を行く
メキシコ移民/『稲妻よ、奔れ』/勝ち組の背後/ブラジル一〇〇年とペルー
第6節 移民・出張・流行作家
第四期とヨーロッパと日本/「お待ちなせえ」の粗筋/大宅壮一の死/その他の仕事
第五章 月刊『噂』と夢の《積乱雲》
第1節 月刊『噂』と周辺
発端と開始/終刊までの概略/『噂』の時代背景/『噂』とユダヤ問題
第2節 ユダヤ関連事項
梶山のユダヤ人論/放浪と望郷の民/シオン議定書とフリーメーソン/ユダヤ人観の推移
第3節 第五期と梶山ユダヤ小説
ユダヤ作品瞥見/「日本人ここにあり」/ユダヤ小説群/せどり男爵にも
第4節 『噂』の中の本音
自選作品集など/ライフワークの夢/国民文学になるか/一つのサンプル
第5節 夢の《積乱雲》
金井利博の死後に/創作ノートなど/梶山の文質・文体/梶山の思想と行動
あとがき
付「資料編」
【資料1】アンケート回答(『天邪鬼』通巻第二号所収)
【資料2】田辺良平宛 梶山季之書簡
【資料3】金井利博宛 梶山季之書簡及び葉書
【資料4】統計的事項