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ファルスの世界 ―15~16世紀フランスにおける「陽気な組合」の世俗劇―

著者
川那部和恵 
シリーズ
 
助成
2011年度学術振興会助成 
判型
A5 
ページ
330 
定価
4,620円 (本体4,200円 )
発行日
2011年11月25日 
ISBN
ISBN978-4-86327-160-9 
Cコード
C3076 
ジャンル
文学・語学/欧米〈文学〉
 
内容
15~16世紀フランスにおける特徴的な「社会的な芸術」性のある世俗劇6作品に焦点をあて、時代との関係性の中で総合的な視点から読み解き、その全体像を論述。
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はじめに

1 概説

 一 ファルスとは何か
  (一)世俗劇とファルス
  (二)世俗劇の五つのジャンル
  (三)ジャンルにまつわる問題
 二 世俗劇の起源と成立
  (一)「新生の諸ジャンル」
  (二)ファルスの起源
  (三)その他のジャンルの起源
 三 ファルスの笑いと時代
  (一)三つの笑い
  (二)ルネサンスの祝祭的笑い
  (三)ルネサンス知識人と笑い
  (四)笑いと「救済」
 四 ファルスの上演現場
  (一)資料について
  (二)上演の機会
  (三)上演の場所
  (四)役者と作者
  (五)観客
 五 上演集団「陽気な組合」
  (一)バゾッシュ(高等法院職員組合)王国 Royaume de la Basoche(パリ)
  (二)呑気な子どもたちEnfants-sans-Souci(パリ)
  (三)阿呆の母とその歩兵隊Mere Folle et son lnfanterie Dijonnaise(ディジョン)
  (四)コナールの僧院Abbaye des Conards(ルーアン)
 六 世俗劇のテキスト
  (一)一六世紀の四大選集
   1 『トレップレル選集』/2『大英博物館選集』/3『コーアン選集』/4『ラ・ヴァリエール写本』
  (二)現代の校訂版選集


2 作品と解題

 一 『市価で/にタマゴをわたすマユエ』
  解題
  (一)二つのテキスト
  (二)登場人物について
   1 人物定型バダン/2 愚か息子と母/3 町のごろつき
  (三)笑いの技法
   1 身振りによる笑い/2 意味のとり違いの笑い/3 構造的な笑い「だました奴がだまされる」
 二 『洗濯桶』
  解題
  (一)テキスト
   1 古版/2 現代版
  (二)成立の背景
   1 あらすじ/2 『洗濯桶』は写実劇か/3 素材の問題
  (三)作品の意図
   1 父権的社会のただ中で/2 妻の抵抗とフェミニズムの芽/3 母の平和主義
  (四)洗濯桶と巻紙
   1 巨大な洗濯桶/2 二部構成の中で
 三 『全世界のモラル』
  解題
  (一)テキスト
   1 写本・校訂本/2 制作年代/3 作者と上演団体
  (二)登場人物・ジャンル
   1 人物名の訳語について/2 ジャンルの曖昧さ
  (三)作品の解釈をめぐって――寓意劇を読み解く
   1 変装劇/2 社会批判/3「全世界」の意味するもの
 四 『地獄の悪魔に魂をもっていかれた粉屋』
  解題
  (一)テキスト
   1 写本・校訂本/2 アンドレ・ド・ラ・ヴィーニュ(一四五七頃─一五二七頃)
  (二)セール市における初演
   1 「上演報告書」/2 『盲人とびっこのモラリテ』
  (三)農夫から粉屋へ
   1 ファブリオーの伝統/2 なぜ粉屋か
  (四)幕間劇として
   1 聖と俗/2 悪魔狂言
 五 『酒盛りの陽気な説教』
  解題
  (一)テキスト
  (二)「分割された」説教
  (三) 饗宴と聖なるもののパロディ
  (四) パロディ説教の構造
 六 『三人のギャランと一人のバダン』
  解題
  (一)テキスト
   1 写本・校訂本/2 作品のジャンル/3 作・上演/4 制作年
  (二)バダンと「阿呆」の王国
  (三)道化裁判
  (四)「コカーニュの国」構想
  (五)ユートピア世界への旅

 おわりに
 主要参考文献
 初出一覧
 索  引
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