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近世日本の国際関係と言説
- 荒野泰典
- A5
- 524
- 6,930円 (本体6,300円 )
- 2017年4月1日
- ISBN978-4-86327-384-9
- C3021
- 歴史・考古・民族/日本
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- 総 説――本書の刊行に向けて――………荒野 泰典
一 現在の私の研究上の立場と四つのキーワード
―「近世日本」・「国際関係」・「日本型小帝国」・「鎖国・開国」言説―
二 近世日本の国際関係と言説
第一部 一七~一八世紀の地域社会とアイデンティティ
秀吉の朝鮮侵略に見るポルトガルの参戦………申 東 珪
はじめに
一 ポルトガルに対する中国征服表明の意味
二 ポルトガル宣教師への援助要請
三 明軍所属のポルトガル傭兵「海鬼」の参戦
おわりに
東インド会社の苦い敗北――鄭成功による台湾征服――(一六六一~一六六二)
………パトリツィア・カリオティ〈翻訳 渡辺真由美〉
侵略への恐れ
バタヴィアからの客
内部の論争
敵の出現
降伏
台湾漢人アイデンティティーの形成と媽祖信仰………赤井 孝史
はじめに
一 清代初期の台湾と媽祖信仰
二 林爽文の乱における媽祖霊験譚と台湾海峡の海洋民
三 地域の守護神としての媽祖
おわりに
「郡方毎日記」にみる近世対馬の突き取り捕鯨………及川 将基
はじめに
一 一七世紀の対馬の突き取り捕鯨
二 対馬への捕鯨業の展開と海民
三 対馬藩と捕鯨業
おわりに
糸割符再考―糸割符増銀と生糸現物配分について―………西垣 昌欣
はじめに
一 糸割符増銀をめぐる議論
二 生糸の現物と増銀の配分
三 寛永期の生糸取引をめぐって
四 近世中期の割符糸
おわりに
近世海域アジア世界とオランダ東インド会社の日本貿易………島田 竜登
一 問題の所在
二 オランダ東インド会社の組織構造と日本商館
三 バタヴィアとオランダ東インド会社
四 日本行き航路と日本貿易
五 日本発航路と日本銅
六 おわりに
近世初期対外関係の伝承とその利用―松浦静山の収集史料を中心に―………吉村 雅美
はじめに
一 異国船来航地としての平戸と松浦家の自己認識
二 谷村友山と松浦静山の対外認識
おわりに
第二部 一九~二〇世紀の変革と言説
「蘭学」を腑分けする………大島 明秀
はじめに
一 板沢武雄の腑分け
二 解体される「蘭学」
三 「西夷視」される「蘭学」
四 浸透する「蘭学」
五 オリエンタリズムとしての「蘭学」
おわりに
「よしの冊子」諸写本の比較………橋本 佐保
はじめに
一 「よしの冊子」成立の流れ
二 松平定信老中退任・将軍補佐解任に関する周囲の反応
おわりに
一九世紀における藩認識と国家認識・対外認識―三河田原藩家老渡辺崋山を事例に―
………矢森小映子
はじめに
一 「藩」認識の形成過程
二 「天下」の「小藩」田原藩―対外的危機意識の中で―
おわりに
ペリー来航時の贈答のかわら版にみる対外認識………田中 葉子
はじめに
一 ペリー来航とかわら版の板行
二 日米間での贈り物の授受
三 贈答のかわら版の内容
四 贈答のかわら版が意味するもの
おわりに
後期幕領期におけるアイヌ同化政策と在地の動向………濱口 裕介
はじめに
一 幕府の蝦夷地直轄支配と同化政策
二 支配人・番人と改俗政策―イシカリ場所の事例から―
三 役付アイヌの「村役人」化について―アツケシ場所の事例から―
おわりに
嘉永・安政期における幕府火薬製造の変遷―水車動力の導入を中心に―………福田 舞子
はじめに
一 日本における火薬製造
二 水車動力の利用
三 西洋流砲術への期待
おわりに
漂流民救助と送還の近代化………上白石 実
はじめに
一 海難救助における費用負担の状況
二 海難救助に関する条約改正
おわりに
「女大学」言説の変遷とその評価―「女大学」研究をめぐって―………安田千恵美
はじめに
一 「女大学」の研究
二 明治期の女子教育論―旧弊な道徳廃すべきか―
三 大正期の「女大学」評価―古き良き「女大学」―
四 昭和期の「女大学」―派生作品の時代―
五 戦後~現代の「女大学」―沈黙の「女大学」―
おわりに
ソメイヨシノをめぐる言説とその実像………秋山 伸一
はじめに
一 ソメイヨシノをめぐる言説
二 ヨシノザクラからソメイヨシノへ
三 通信販売カタログにみるソメイヨシノの特徴
四 ソメイヨシノの伝播と植樹~むすびにかえて~
現在日本の国境問題を近世国際関係論から考える………荒野 泰典
はじめに―「領土」問題への関心―
一 問題点の整理―米国の「あいまい」政策・「固有の領土」言説・係争地域からの視点―
二 近世日本の国際関係と平和維持システム
おわりに―境界地域の可能性の掘り起し―
A Bitter Defeat for the VOC:The Conquest of Taiwan by Zheng Chenggong, 1661-1662……… Patrizia Carioti
Fears of invasion
Guests from Batavia
Internal disputes
The enemy’s appearance
The surrender
あとがき
執筆者一覧
執筆者一覧(掲載順)
荒野 泰典(あらの やすのり) 一九四六年生まれ 立教大学名誉教授
申東珪(シン ドンギュ) 一九六六年生まれ 東亜大学校・中国日本学部副教授
Patrizia Carioti(パトリツィア・カリオティ) 一九六〇年生まれ ナポリ東洋大学教授
渡辺真由美(わたなべ まゆみ) 一九四二年生まれ
赤井 孝史(あかい たかし) 一九六八年生まれ 園田学園女子大学短期大学部教授
及川 将基(おいかわ しょうき) 一九七一年生まれ 東京大学史料編纂所学術支援専門職員・豊島区立郷土資料館臨時職員
西垣 昌欣(にしがき まさよし) 一九六五年生まれ 筑波大学附属桐が丘特別支援学校副校長
島田 竜登(しまだ りゅうと) 一九七二年年生まれ 東京大学大学院人文社会系研究科准教授
吉村 雅美(よしむら まさみ) 一九八二年生まれ 日本女子大学文学部史学科講師
大島 明秀(おおしま あきひで) 一九七五年生まれ 熊本県立大学文学部准教授
橋本 佐保(はしもと さほ)一九八四年生まれ 学習院大学史料館EF共同研究員
矢森 小映子(やもり さえこ) 一九七八年生まれ 東京大学史料編纂所学術支援専門職員
田中 葉子(たなか ようこ) 一九七二年生まれ 東京都北区教育委員会文化財専門員濱口 裕介(はまぐち ゆうすけ) 一九八〇年生まれ 札幌大学女子短期大学部助教
福田 舞子(ふくだ まいこ) 一九八三年生まれ 大阪大学適塾記念センター特任研究員
上白石 実(かみしらいし みのる) 一九六四年生まれ 盛岡大学文学部准教授
安田 千恵美(やすだ ちえみ) 一九八四年生まれ 立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程在学中
秋山 伸一(あきやま しんいち) 一九六一年生まれ 豊島区立郷土資料館学芸員