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「語り直す力」を育てる文学教育の構想 ――ナラティブを援用して―― 

著者
佐々原正樹 
シリーズ
 
助成
 
判型
A5 
ページ
362 
定価
4,950円 (本体4,500円 )
発行日
2017年3月20日 
ISBN
ISBN978-4-86327-393-1 
Cコード
C3081 
ジャンル
国語・漢文教育〈文学・教材研究〉
 
内容
物語世界を見直す、捉え直すことを通して、現実世界の「見方・考え方」を「語り直す力」の育成を主体に、小学生を対象とした深い学びに至るための文学の授業を構想する。
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序 章 研究の目的と方法
 1 問題の所在
 2 研究の目的と方法
  2-1 研究の目的
  2-2 研究の方法
   2-2-1 各部の構成
   2-2-2 各章の研究の方法

第1部 理論的研究
第1章 「語り直す力」育成の必要性とその捉え直し 
 1 「語り直す力」育成の必要性
  1-1 学習指導要領と「生きる力」
  1-2 「生きる力」とキー・コンピテンシー
  1-3 「語り直す力」育成の必要性
   1-3-1 学習指導要領の「生きる力」の問題点
   1-3-2 DeSeCoプロジェクトと「思慮深さ/省察力」(reflectiveness/reflectivity)
   1-3-3 メタ認知の変容
 2 方法論としてのナラティブ(narrative)
  2-1 ナラティブの定義
  2-2 ナラティブの概観
   2-2-1 「物語」から「語り」へ
   2-2-2 「論理・実証モード」に対置する研究方法としてのナラティブ
   2-2-3 臨床分野における実践方法としてのナラティブへ
   2-2-4 「語り」から「語り直し」へ
   2-2-5 ナラティブの特徴と効果
   2-3 「ナラティブ」を理論的枠組みとする意義
 3 「語り直す力」の捉え直し
  3-1 自己物語論
  3-2 「自己物語」の特徴
  3-3 自己を「物語」として捉えるよさ――「自己物語」を理論的枠組みとする意義――
  3-4 「自己の語り直し」から「自己物語の語り直し」へ

第2章 「語り直す力」を育成するための理論構築1――ナラティブ・アプローチを検討して――
 1 人生において語り直しが生じる時
  1-1 出来事と「自己物語」のズレ(タイプ1のズレ)
  1-2 「自己物語」と「外部の物語」のズレ(タイプ2のズレ
 2 内部に起こっているズレ――出来事と出来事のズレ――
 3 「語り直す力」を育成するための知見――ナラティブ・アプローチを検討して――
  3-1 基本的な考え
  3-2 〈位置づけられた場〉の「権力関係」に注目して――〈出来事と「自己物語」のズレ(タイプ1のズレ)〉の場合――
   マイケル・ホワイト,デビット・エプストン
  3-3 〈語られた場〉の「権力関係」に注目して――〈「自己物語」と「外部の物語」のズレ(タイプ2のズレ)〉の場合――
   3-3-1 ハロルド・グーリシャン, ハーレーン・アンダーソン
   3-3-2 トム・アンデルセン
  3-4 「相互作用」と「道具」に注目して――〈「自己物語」と「外部の物語」とのズレ(タイプ2のズレ)〉の場合、定義的祝祭―
  3-5 ナラティブ・アプローチから得られた知見
  3-6 総合考察

第3章 「語り直す力」を育成するための理論構築2――「語り直す力」を育てる文学の授業の理論構築――
 1 「語り直す力」育成の視点からみた先行研究の検討1
  1-1 教育学とナラティブ・アプローチの共通点――物語としての自己――
  1-2 ナラティブ・アプローチから得られた知見を教育に援用する際の課題
   1-2-1 子どもの内部に,「揺らぎ」「ズレ」を生じさせることの必要性
   1-2-2 教育における非対称性という「教育関係」を乗り越える必要性
  1-3 公共性と他者
   1-3-1 時代が抱える「困難性」を乗り越える必要性
   1-3-2 子どもを「他者」とみる
 2 「語り直す力」育成の視点からみた先行研究の検討2
  2-1 綴り方・生活綴り方の検討
  2-2 文学教育の検討
   2-2-1 二つの軸
   2-2-2 四つの実践・理論の特徴と課題
 3 文学教育と「語り直す力」の育成
  3-1 国語科教育と物語的行為
  3-2 なぜ 文学教育で「語り直す力」を育成するのか
   3-2-1 なぜ, 文学作品を媒介とするのか
 4 「語り直す力」を育てる文学の授業の理論構築
  4-1 「語り直す力」を育てる文学の授業の理論構築――「作品世界」の「聴き手」と「現実世界」の「語り手」を接続するために――
   4-1-1 文学体験を起こすための授業理論【課題1,課題⑥を乗り越えるために】
   4-1-2 「脱中心化」【課題2,課題3を乗り越えるために】
   4-1-3 自己を生成過程の「物語」と捉えることで【課題4,課題5を乗り越えるために】
   4-1-4 学習者に「現実世界」と「作品世界」をどのように接続させるか【課題6を乗り越えるために】
  4-2 「語り直す力」を育てる文学の授業について
  4-3 「語り直す力」について

第2部 実践的研究 「語り直す力」を育てる文学の授業理論の提案
第4章 「語り直す力」を育てる文学の授業理論の検証――中学年を事例として――
 1 「教室という場」と「登場人物の自己像・世界像」の語り直しとの関わり
  1-1 実験授業1 「引用」方略を導入した授業の特徴,及び「引用」方略の「登場人物の自己像・世界像」の語り直しに及ぼす効果の検討
   1-1-1 はじめに
   1-1-2 方法
   1-1-3 結果と考察
   1-1-4 総合考察
  1-2 実験授業2 「引用」方略の継続が「聴くこと・発言形成」に関わる方略の習得,及び,「登場人物の自己像・世界像」の語り直しに及ぼす効果の検討
   1-2-1 はじめに
   1-2-2 方法
   1-2-3 結果と考察
   1-2-4 総合考察
 2 「道具」,「コミュニケーション過程」と「登場人物の自己像・世界像」の語り直し
  2-1 実験授業3 「対話的ディスカッション」と「他者モニタリング」との関係,及び「対話的ディスカッション」の語り直しに及ぼす効果の検討
   2-1-1 問題の所在
   2-1-2 目的と方法
   2-1-3 授業の結果
   2-1-4 社会的過程の「メタ認知」を考慮した「語り直す力」を育てる文学の「読み」の授業
   2-1-5 総合考察
  2-2 実験授業4 集団で形成された「外部の物語」が立ち上がる状況の中で,「対話的ディスカッション」の語り直しに及ぼす効果の検討
   2-2-1 問題の所在
   2-2-2 「解釈の偏り」を形成するしくみ
   2-2-3 「解釈の偏り」を前提とした授業の構想
   2-2-4 総合考察
 3 「位置づけられた場(言論の場)」と「読み手の自己物語」の語り直し
  3-1 実験授業5「言論の場」の変化が「読み手の自己物語」の語り直しに及ぼす効果の検討
   3-1-1 問題の所在
   3-1-2 「読み」の語り直しを形成するしくみ
   3-1-3 「語り直す力」を育てる授業の構想と実際
   3-1-4 総合考察

第5章 「語り直す力」を育てる文学の授業の構想
 1 実践から得られたこと及び理論の修正
  1-1 文学体験の発達
  1-2 三つの視点と発達段階
   1-2-1 〈コミュニケーション過程〉と発達段階
   1-2-2 場と発達段階
   1-2-3 道具と発達段階
 2 「語り直す力」を育てるための授業の構想――低学年――
  2-1 低学年の「語り直し」体験
   2-1-1 「入る過程」→「なる過程」
  2-2 三つの視点〈コミュニケーション過程〉〈場〉〈道具〉
   2-2-1 〈コミュニケーション過程〉
   2-2-2 〈場〉
   2-2-3 〈道具〉
  2-3 「語り直す力」を育てる文学の授業の構想――教材「ニャーゴ」(2年)を事例に――
   2-3-1 教材について
   2-3-2 目標について
   2-3-3 指導の工夫について
   2-3-4 指導計画について
 3 「語り直す力」を育てるための文学の授業の構想――中学年(3年生)――
  3-1 中学年(3年生)の「語り直し」体験
   3-1-1 「入る過程」→「なる過程」→「みる過程」
  3-2 三つの視点〈コミュニケーション過程〉〈場〉〈道具〉
   3-2-1 〈コミュニケーション過程〉
   3-2-2 〈場〉
   3-2-3 〈道具〉
  3-3 「語り直す力」を育てる文学の授業の構想――教材「おにたのぼうし」(3年)を事例に――
   3-3-1 教材について
   3-3-2 目標について
   3-3-3 指導の工夫について
   3-3-4 指導計画について
 4 「語り直す力」を育てるための文学の授業の構想――中学年(4年生)――
  4-1 中学年(4年生)の「語り直し」体験
   4-1-1 「入る過程」→「なる過程」→「みる過程」→(イメージ化)→「引き出す過程」
   4-2 三つの視点〈コミュニケーション過程〉〈場〉〈道具〉
   4-2-1 〈コミュニケーション過程〉
   4-2-2 〈場〉
   4-2-3 〈道具〉
 5 「語り直す力」を育てるための文学の授業の構想――高学年――
  5-1 高学年の「語り直し」体験
   5-1-1 「入る過程」→「なる過程」→「みる過程」→(イメージ化)→「引き出す過程」→「意味づける過程」
  5-2 三つの視点〈コミュニケーション過程〉〈場〉〈道具〉
   5-2-1 〈コミュニケーション過程〉
   5-2-2 〈場〉
   5-2-3 〈道具〉
  5-3 「語り直す力」を育てる文学の授業の構想――教材「海のいのち」(6年)を事例に――
   5-3-1 教材について
   5-3-2 目標について
   5-3-3 指導の工夫について
   5-3-4 指導計画について
終 章 本研究の成果と課題
 1 成果
  1-1 「語り直す力」育成の必要性及び「語り直す力」の捉え直し(目的1)
  1-2 「語り直す力」を育てる文学の授業の理論構築(目的2)
  1-3 「語り直す力」を育てる文学の授業理論の有効性の検証(目的3)
  1-4 「語り直す力」を育てる文学の授業の構想(目的4)
 2 課題
  2-1 理論の精緻化
  2-2 中学・高校生における「語り直す力」の育成
  2-3 「語り直す力」を育てる授業と読書教育

 参考文献
 おわりに
 事項索引
 人名索引
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