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チョーサーの言語と認知 「トパス卿の話」の言語とスキーマの多次元的構造
- 中尾佳行
- A5
- 248
- 4,070円 (本体3,700円 )
- 2018年6月10日
- ISBN978-4-86327-439-6
- C3097
- 文学・語学/欧米〈文学〉
- チョーサーのテクストを読んでいて、テクストの意味はあるのではなく生まれてくるものだと教えられた。現象であれ言語理解であれ、客観的にそのままにあるのではなく、「主体」(subjectivities)を介してダイナミックに意味付けられていく。本書は、この問題意識の解明、チョーサーの言語の意味を構造化する試みである。「構造化」と言うのは、結果としての意味、というのではなく、その意味がどのようにまた何故生み出されていくのか、そのプロセスを再建することである。『カンタベリー物語』の一つ、チョーサー自身が話す「トパス卿の話」に焦点を当て、「縮減」(diminution)のスキーマがテクストのマクロからミクロまで種々層に通底し、各層の意味とその融合を動機付け、同時に多次元的に高次化していくことを、記述・説明した。
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- 前書き
Abstract & Contents
1.はじめに:問題の所在
1.1.先行研究
1.2.研究課題
2.研究の視点と方法
2.1.スキーマの多次元構造
2.2.「主体」の入れ子構造
2.3.「縮減」の拡張事例化の検証手順
3.検証
3.1.RQ 1
3.2.RQ 2
3.3.RQ 3
3.1.1.入れ子構造
3.1.2.入れ子構造1、2、3、4の下位区分
4.[1]物語(Tale)の「縮減」
4.1.[1-1] スキーマの三次元構造:「主体」の入れ子構造
4.2.[1-2] テイルライム
4.3.[1-3] 表現モード的スキーマと記述的スキーマ:状態と動作
4.4.[1-4] 写本レイアウト
4.5.[1-5] 「縮減」の三次元構造:物語の循環性
5.[2]断章(Fit)の「縮減」
5.1.[2-1] 断章の連数
5.2.[2-2] 断章の境界線
5.2.1.[2-2-1] 断章の初め
5.2.2.[2-2-2] 断章の終わり
5.3.[2-3] 断章の結束構造
6.[3]連(Stanza)の「縮減」
6.1.[3-1] 連の行数
6.2.[3-2] 尾韻
6.3.[3-3] ボブ(bob)
7.[4]詩行(Verse line)の「縮減」
7.1.[4-1] 動詞の相と法
7.2.[4-2] 統語関係
7.3.[4-3] イディオム
7.4.[4-4] 句跨り
7.5.[4-5] レジスター
7.6.[4-6] 多義性
7.7.[4-7] 韻構造
7.8.[4-8] 語形:final-e の揺らぎ(単音節形容詞と名詞の場合)
8.結論
8.1.研究課題への答え
8.2.課題点
Appendixes
参考文献
索引
後書き