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祖国のために死ぬこと 第一次世界大戦の<英国>の文学と文化
- 荒木映子
- 四六
- 284
- 3,080円 (本体2,800円 )
- 2019年10月1日
- ISBN978-4-86327-486-0
- C1022
- 文学・語学/欧米〈文学〉 歴史・考古・民族/欧米
- 一発の砲弾で数十人もの兵を殺しながらも、殺人行為の結果も見えず何も感じない初めての大戦、WW1。大戦中最大の会戦とされるソンムの戦いでは初めて戦車が使用され英・仏・独合わせて110万人余が戦死、絶望と虚無をもたらした。戦争と祖国と個人の栄誉と――大量破壊戦争から生まれた英国・アイルランドの文学と文化。
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- はじめに
戦死は美しいか?
変遷する「祖国」、持続する「名誉」
注
序章 「戦争詩」の歴史
古代の戦争文学
中世から一七世紀へ
18世紀
19世紀から第一次世界大戦へ
注
第一部 祖国のために戦った詩人たち
第1章 祖国を愛する
─ジュリアン・グレンフェル、ルーパート・ブルック、エドワード・トマス
一 「高尚な言葉遣い」から「大げさな言葉」へ
生き残った騎士道
大戦と騎士道
二 ソンムの戦いまでの戦争詩
ジュリアン・グレンフェルと「戦いの喜び」
ルーパート・ブルックと「小イングランド主義」「ジョージアン」
エドワード・トマス─イギリスの自然を守る
三 ソンムの戦い
戦争の真実
注
第2章 戦争を憎む
─シーグフリード・サスーン、ウィルフレッド・オーウェン、ロバート・グレイヴズ
一 ソンムの戦いを生きぬいた詩人たち
シーグフリード・サスーン─ガラハッドとの決別
ウィルフレッド・オーウェン─愛国主義からその否定へ
ロバート・グレイヴズ─感傷よりパロディ
二 その他の戦争詩人たち
注
第3章 「血と音と数限りない詩」 ─もう一つの大戦文学『ワイパーズ・タイムズ』
一 「文学的戦争」
二 トレンチ・ジャーナルとは?
三 『ワイパーズ・タイムズ』とは?
発端から
記事の特徴
四 似たり寄ったりのトレンチ・ジャーナル
五 消された大戦文学
注
第二部 アイルランドと「祖国」
第1章 一九一六年 ─復活祭蜂起とソンムの戦い
一 第一次世界大戦が起こった時
北と南
「オレンジ」と「緑」のイギリス兵
二 復活祭蜂起起こる
三 第一次世界大戦と復活祭蜂起
北にとっての第一次世界大戦と復活祭蜂起
南にとっての第一次世界大戦と復活祭蜂起
四 第一次世界大戦とアイルランドの記憶
注
第2章 アイルランドの「戦争詩人」たち
一 「平和の詩人」、フランシス・レドウィッジ
レドウィッジにとっての大戦
復活祭蜂起を知る
ダンセイニ卿
『最後の歌』
兵士の心、詩人の技
二 トマス・ケトル
リクルーターにして兵士
ヨーロッパの中のアイルランド
詩人としてのケトル
三 その他の詩人たち
四 アイルランドの戦争詩人たち
注
第三部 祖国のために死んだ人たちを弔う
戦争文化
注
第1章 死者の顕彰 ─戦争墓地と戦争記念碑をつくる
一 埋葬の民主化
二 名前のない兵士と遺体のない兵士
三 祖国に眠る戦死者たち
四 「パブリック・モニュメント」をつくる
英雄像の終焉
戦死者崇拝─イギリス
フランスとドイツのモニュメント
注
第2章 なぜ戦場ツアーか? ─追悼、ゴシック、サブライム
一 巡礼か観光か?
ヴェラ・ブリテンと聖地への巡礼
トマス・クックの戦場ツアー
なぜ戦場へ行くのか?
二 戦場ゴシック
観光化の予測
戦場視察
戦場フィーバー
三 戦場のイギリス人観光客
一七世紀から一八世紀
ワーテルロー来訪
ゴシック趣味
注
おわりに
注
あとがき
索 引