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「侵攻小説」というプロパガンダ装置の誕生
- 深町 悟
- A5
- 228
- 3,080円 (本体2,800円 )
- 2020年3月27日
- ISBN978-4-86327-511-9
- C3098
- 文学・語学/欧米〈文学〉 歴史・考古・民族/欧米
- 1871年に英国で誕生した「侵攻小説」。その後世界に広まったこのジャンルは「未来戦記」、「架空戦記」、「IF戦記」などの名称で日本でも親しまれている。本書はそのオリジナルとして知られる『ドーキングの戦い』に加え、未だ研究のなされてこなかった数々の作品を取り上げ、そのジャンルの英国での受容を論じる。
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- 序章
1 ヴィクトリア朝後期の民衆へのプロパガンダと「侵攻小説」
2 「ドーキングの戦い」と「侵攻小説」について
3 「ドーキングの戦い」以降の一八七〇年代の「侵攻小説」について
4 「海峡トンネル危機」と侵攻小説について
第一部「ドーキングの戦い」(“The Battle of Dorking ”)
第一章「ドーキングの戦い」(“The Battle of Dorking ”) ―前編―
はじめに
1 「ドーキングの戦い」のプロットについて
2 アラーミズムを利用する作者
3 メディアの批判と作者の弁明
4 軍事演習とアラーミズムの収束
おわりに
第二章「ドーキングの戦い」(“The Battle of Dorking ”) ―後編―
はじめに
1 批判対象の設定
2 揺れる批判対象
3 無視された抑止力
4 作品のコメディーとしての側面
5 改変前と改変後の作品の比較
6 見えない侵攻軍
おわりに
第二部「ドーキングの戦い」以降、一八七〇年代の「侵攻小説」作品
第三章『五十年が過ぎ』と『トルコの分割』(Fifty Years Hence and The Curving of Turkey)
はじめに
1 両作品のプロットについて
2 問題にされない英国の軍備
3 『五十年が過ぎ』に登場する二種類の悪
4 『トルコの分割』における倒すべき悪
5 両作品の異なるトルコへの見方
おわりに
第四章『一八八三年の侵攻』(The Invasion of 1883)
はじめに
1 作品のプロットについて
2 改革の主役である読者
3 防衛力の主力になる得るボランティア隊
4 皆を不幸にする戦争
おわりに
第五章『海峡トンネル、つまり英国の破滅』(The Channel Tunnel; or, England’s Ruin)
はじめに
1 作品のプロットについて
2 効果的に使われる「議題設定」
3 無理に始まる仏独の戦争
おわりに
第三部 一八八二年の「海峡トンネル危機」における「侵攻小説」作品
第六章『いかにジョン・ブルはロンドンを失ったか』(How John Bull Lost London)
はじめに
1 作品のプロットについて
2 敵意を隠すフランス
3 賛成派と反対派の立場
4 責任を負わされる民衆
おわりに
第七章「海峡トンネルの話」(“The Story of the Channel Tunnel”)
はじめに
1 作品のプロットについて
2 登場回数の少ない作品のヒーロー
3 敵国ではなく英国内に存在する悪役
4 資本家ワトキンへの個人攻撃
5 トンネル建設における議論
おわりに
第八章『ブローニュの戦い』(The Battle of Boulogne)
はじめに
1 作品のプロットについて
2 否定される反対派の言説
3 正義の英国軍と不義をはたらくフランス軍
4 英仏の国民性の違いから喚起される愛国心
おわりに
結章
はじめに
第一部「ドーキングの戦い」のまとめ
第二部「ドーキングの戦い」以降、
一八七〇年代の「侵攻小説」作品のまとめ
第三部 一八八二年の「海峡トンネル危機」における「侵攻小説」作品のまとめ
おわりに
註
参考文献