検索結果一覧

相互行為能力の諸相 共構築・ナラティヴ・自己形成

著者
佐川祥予 
シリーズ
 
助成
2021年度学術振興会助成 
判型
A5 
ページ
264 
定価
5,500円 (本体5,000円 )
発行日
2022年2月25日 
ISBN
ISBN978-4-86327-583-6 
Cコード
C3037 
ジャンル
教育〈教育学〉 言語学〈日本語〉 
 
内容
互いに言葉を交わしコミュニケーションするとき、どのような影響を与え合いながら、意味を形成しているのだろうか。日本語教育の現場をフィールドに、自己のストーリーを語る学習者に焦点を当て、複層的な相互行為能力を浮き彫りにする。
渓水社で購入する

購入冊数

オンライン書店で購入

この本の目次を見る
序論
 1 本研究の背景
 2 言語教育のための相互行為研究
 3 本研究の目的

第1章 相互行為能力
 1.1  第二言語教育における能力観と言語観の変遷
      ─ C.クラムシュの相互行為能力
 1.2 相互行為能力に関する研究の蓄積と本研究のアプローチ
   1.2.1 会話分析による相互行為研究の蓄積と問題点
   1.2.2 新たな相互行為研究のアプローチ
 1.3 小括

第2章 関係性の言語観
 2.1 言語論的転回
 2.2 社会構築主義の言語観─第二の言語論的転回へ
   2.2.1 言語ゲーム─言語実践の中のことば
   2.2.2 現実・自己・物語
 2.3 小括

第3章 バフチンの言語哲学
 3.1 関係性の言語観とM.M.バフチンの言語哲学
   3.1.1 言語の本質─客観主義批判
   3.1.2 言語の本質─経験と表現に共通する社会的性質
   3.1.3 言語の本質─発話を規定する状況
   3.1.4  言語ゲームとゲーム内の相互行為の様態─言語ゲームとことばのジャンル
   3.1.5  言語ゲームとゲーム内の相互行為の様態─ジャンルにおける補足の連鎖
   3.1.6  言語ゲームとゲーム内の相互行為の様態─ジャンルにおける一時的達成物としての意味
 3.2 自己について語ることが自己を形成する
   3.2.1 語りによる自己形成へのアプローチ
   3.2.2 自己と他者の知覚に関する基本原理と物語行為
   3.2.3 語りと自己形成
 3.3 小括

第4章 物語行為
 4.1  人間の認識機能としての物語行為
      ─J.S.ブルーナーを中心として
   4.1.1 経験の解釈機能
   4.1.2 現実の構成
   4.1.3 フォークサイコロジー
   4.1.4 2つの語り
   4.1.5 物語行為の発達
 4.2 2つの語りのスタイル
      ─M.ブーバーの対話論による語りの循環構造
 4.3 ナラティヴ・セラピーにおける物語行為
 4.4 小括

第5章 授業実践
 5.1 大学における初級・上級日本語クラスでの実施概要
   5.1.1 日本とタイの大学の日本語クラスにおける実践
   5.1.2 研究協力者について
 5.2 自己について語る自己表現活動の可能性と意義

第6章 相互行為場面の分析手法
 6.1 3 つの観点からの分析
 6.2 分析手法① E.ゴフマンの「フレーム」
   6.2.1 関係性の言語観を具体化する─実際の相互行為という次元へ
   6.2.2  フレームの形成
         ─メタコミュニケーション・レヴェル、役割距離
 6.3  分析手法②
  W.ラボフの物語の分析とK.G.ヤングの物語行為の分析
   6.3.1 物語の6つの要素
   6.3.2 TaleworldsとStoryrealms
 6.4 分析手法③語りの循環構造

第7章 相互行為場面の分析
 7.1 分析手法①による分析データ
   7.1.1 学生I
   7.1.2 学生Y
   7.1.3 学生M
   7.1.4 学生G
   7.1.5 分析のまとめ
 7.2 分析手法②による分析データ
   7.2.1 学生I
   7.2.2 学生Y
   7.2.3 学生M
   7.2.4 学生G
   7.2.5 分析のまとめ
 7.3 分析手法③による分析データ
   7.3.1 学生I
   7.3.2 学生Y
   7.3.3 学生M
   7.3.4 学生G
   7.3.5 分析のまとめ

第8章(補論) 活動を通じた学び─実践コミュニティ型言語教育
 8.1 実践コミュニティの背景
   8.1.1 最近接発達の領域と協働の意味
   8.1.2 最近接発達の領域の解釈と実践コミュニティ
 8.2 Wenger(1991)の学習観とその影響
 8.3 実践コミュニティ
   8.3.1 Wenger(1998)における実践コミュニティ
   8.3.2 Wenger et al.(2002)における実践コミュニティ
   8.3.3  実践コミュニティの見取り図
        ─Wenger et al.(2002)の多重成員性
 8.4 教育分野への応用─実践コミュニティ型の言語教育
 8.5 結びにかえて

終章 まとめと今後の展望

参考文献
索引
戻る