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「黙示の解除条件」の研究 ―仏日契約解除基礎理論・要件論等に関する著作集―

著者
福本 忍 
シリーズ
 
助成
 
判型
A5 
ページ
544 
定価
9,900円 (本体9,000円 )
発行日
2024年3月25日 
ISBN
ISBN978-4-86327-645-1 
Cコード
C3032 
ジャンル
政治・経済・法律
 
内容
2016年債務法改正前フランス民法1184条が定めていた「黙示の解除条件」を分析した諸論考に加え、わが国の解除の基礎理論に関する論説・判例評釈をも載録した著作集。
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はしがき
凡例


《第Ⅰ部 債務法改正前フランス法》

第1 論文  フランス債務法における法定解除の法的基礎(fondement juridique)と要件論
  ── 19 世紀の学説・判例による「黙示の解除条件」構成の実質的修正に着目して──

序 章
 一 本稿の目的
 二 フランス民法典 第1184 条の構造とそこから生じる問題の確認──分析基軸の設定──
第1章 フランス民法典制定までの解除論史
 一 ローマ法
 二 中世ローマ法およびカノン法
 三 慣習法時代
 四 ドマ、ポティエの解除理論
 五 フランス民法典起草者の立場
 六 小括
第2章  19 世紀における「黙示の解除条件」の理解および法定解除の要件論
 一 19 世紀註釈学派による「黙示の解除条件」の理解
 二 19 世紀註釈学派における法定解除の要件論
 三 19 世紀の判例における法定解除の法的基礎と要件論
 四 小 括
終 章
 一  19 世紀における法定解除法的基礎論と法定解除要件論との関係
 二 結 論
 三 結びに代えて──残された課題──
 第Ⅰ部 第1 論文【解題】

第2 論文 現代フランス債務法における法定解除の法的基礎(fondement juridique)の構造変容
 はじめに
 一 「 黙示の解除条件」の特殊性の認識──「解除条件」の枠組みのなかでの1183 条との理論上の峻別──
 二 コーズ(cause)理論への依拠
 三 コーズ理論からの脱却と双務契約における両給付の交互関係ないし両債務の履行上の均衡・牽連性への依拠
 四 賠償(reparation)の一方式ないし民事責任訴権の特別適用としての1184 条
 五 既存の法的基礎の批判的・複合的受容
 まとめと今後の課題
 第Ⅰ部 第2 論文【解題】

第3 論文  19 世紀初頭のフランス民法学における解除条項理論の一断面
 はじめに
 一  起草者の解除条項理論──民法1184 条の規範を起点とする解除条項の理解──
 二  当然解除の拡張── mode 概念の導出とpacte commissoire の限定的理解──
 三 解除条項理論の対立構造についての若干の考察
 むすびに代えて
 第Ⅰ部 第3 論文【解題】

第4 論文  近時のフランス債務法における契約解除規定改正動向の一断面
 ──いわゆるテレ草案の規定の分析を通じて──
 はじめに
 一 テレ草案における契約解除規定
 二  改正草案規定に関する報告書(Rapports)の検討──現行法との差異に着目して──
 三  若干の考察──解除の法的基礎(fondement juridique)をめぐる議論の変容──
 むすびに代えて
 第Ⅰ部 第4 論文【解題】

第5 論文  ボワソナード旧民法典草案(Projet)における法定解除の法的基礎(fondement juridique)の一素描 ──『プロジェ・初版』を分析素材として
 一 はじめに
 二  フランス民法旧1184 条およびわが国旧民法典財産編421 条の構造
 三 『プロジェ・初版』草案441 条および対応邦訳 355
 四 『 プロジェ・初版』註釈における法定解除の法的基礎についての検討
 五 ボワソナードが示した「黙示の解除条件」の法的基礎の特質
 六 むすびにかえて
 第Ⅰ部 第5 論文【解題】


《第Ⅱ部 債権法改正と解除・危険負担》


第1 論文  危険負担と契約の解除──霧に霞む解除と危険負担の地平?
 一 はじめに
 二 解除制度の「考え方」の変容
 三 危険負担制度の「考え方」の変容
 四 おわりに──“霧”に霞む「地平」の見通しを良くするためには?
 第Ⅱ部 第1論文【解題】

第2 論文  民法(債権法)改正のコンテクストにおける危険負担と解除の関係の変容
 ──債務者主義危険負担における契約の帰すうを分析基軸として──
 一 はじめに
 二  債務者主義危険負担(民536 条1 項)における契約の帰すう──契約の当然(自動的)消滅構成と存続構成
 三  民法(債権法)改正作業の各段階における危険負担と解除の関係──改正法536 条1 項への転回の軌跡
 四  債務者主義危険負担における契約の帰すうへの無自覚が産み出したもの
 五 むすびにかえて
 第Ⅱ部 第2 論文【解題】

第3 論文 「 解除条件付双務契約における危険負担」に適用される規律についての一考察
 ──大正期の代表的学説における議論と債権法改正後の解釈論──
 一 はじめに
 二 「 解除条件付双務契約における危険負担」と大正期の代表的学説による応接  
 三 「 解除条件付双務契約における危険負担」論の衰退と民法(債権法)改正
 四 残された課題と今後の展望
 第Ⅱ部 第3 論文【解題】


《第Ⅲ部 解除関連判例評釈》

第1 評釈  生命保険約款における失効条項の消費者契約法10 条該当性判断枠組み
  ──契約締結後の個別事情の積極的考慮 最高裁第二小法廷 平成24年3月16日判決
   はじめに
 一 事 実
 二 判 旨
 三 研究
 第Ⅲ部 第1 評釈【解題】

第2 評釈 債務の不履行の軽微性と解除
 最高裁第二小法廷 昭和43年2月23日判決
 はじめに
 一 事実の概要
 二 判旨
 三 解説
 第Ⅲ部 第2 評釈【解題】

あとがき
索引
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