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高等学校国語科の教科構造 ―戦後半世紀の展開―
- 幸田国広
- 2011年度学術振興会助成
- A5
- 334
- 4,950円 (本体4,500円 )
- 2011年9月25日
- ISBN978-4-86327-158-6
- C3081
- 国語・漢文教育〈国語教育史〉
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- 序 章 研究の目的・意義・方法
第1節 研究の目的と意義
第2節 研究の方法
第3節 本書の構成
第1章 新制高等学校発足期の「国語科」像
第1節 新制高等学校発足期における「国語科」の位置
――共通必修の根拠に関する考察――
1 戦後教育改革の柱としての〈6・3・3〉制
2 新制高等学校発足期のカリキュラム
3 新制高等学校「国語科」の位置付けと任務
第2節 新制高等学校発足期の国語教科書と「単元」観
――『高等国語』に見られる「単元」の位相――
1 国語教科書における「単元」
2 編集方針と「単元学習」
3 『高等国語』における「単元」の位相
4 原理の根底にあるもの
第3節 新制高等学校発足期における国語科学習指導の検討
――増淵恒吉単元学習を視座に――
1 教材単元への志向――先行研究の検討――
2 増淵恒吉の単元学習観
3 新制高等学校における国語科単元学習の指針
第4節 新制高等学校発足期における国語科カリキュラムの考察
――『東京都高等学校教育課程(第一次案)国語科の部』の検討――
1 『東京都高等学校教育過程(第一次案)国語科の部』の資料的価値
2 「第一次案」の概要と特徴
3 各学校における「国語科」カリキュラム案
4 国語科カリキュラムの可能性/不可能性
小括
第2章 戦後転換期の「国語科」像――「文学編」「言語編」分冊教科書の研究――
第1節 1950年代の国語教育関連論争をめぐる問題史的考察
1 1950年代の国語教育関連論争の概括――問題の所在――
2 〈西尾―時枝論争〉
3 文学科独立論の提唱
4 作文・綴り方論争
5 論争に潜む「国語科」像のゆらぎ
第2節 「文学編」「言語編」分冊教科書のねらいと発行状況
1 「文学論」「言語論」分冊教科書の登場
2 発行のねらい――『昭和26年版学習指導要領(試案)』との関連――
3 分冊教科書の発行状況と編集原理
第3節 「文学編」「言語編」分冊教科書の内容と特徴
1 「文学編」と「言語編」の具体的内容――光村版を中心に――
2 「総合編」の具体的内容
3 分冊教科書の問題点――開隆堂版からの逆照射――
第4節 「文学編」「言語編」分冊教科書を現場はどう受け止めたか
―雑誌『実践国語』(1952~1955)を中心に―
1 どのような実践が期待されていたか
2 雑誌『実践国語』にみられる現場の反応と実践の特色
3 分冊教科書を効果的に用いるための条件
第5節 「文学編」「言語編」分冊教科書の消滅要因に関する考察
1 これまでの整理
2 新教育批判の中からの出発――消滅の社会的背景――
3 消滅の内在的要因
4 戦後中等教育国語教科書の展開過程
小括
第3章 高度経済成長期の「国語科」像――益田勝実国語教育論を視座に――
第1節 「現代国語」設置による高校必修科目二分化の問題点
―益田勝実「現代国語」観の機能―
1 科目二分化の時代へ
2 「現代国語」の新設とその批判
3 益田勝実「現代国語」観の検討
4 筑摩書房『現代国語』の特性
5 必修科目二分化の問題点――益田勝実「現代国語」観の実質的機能――
第2節 益田勝実「現代国語」論の特質(1)
――もう一つの「国語」としての「清光館哀史」――
1 「現代国語」教科書における単元構成と教材の傾向
2 「清光館哀史」について
3 単元のねらいと教材観
4 学習指導構想の検討
5 「清光館哀史」の実践例
6 「清光館哀史」教材化の変遷
7 教材化の歴史的意義
第3節 益田勝実「現代国語」論の特質(2)
――読解指導論と「思考力」への着眼――
1 戦後国語教育における読解指導論の隆盛
2 「思考力」のクローズアップ
3 「原子の火ともる」の読解指導
4 「科学の現代的性格」の教材化
5 体系的読解指導への志向と教材化の意義
第4節 高度経済成長下の古典教育
― 切り離された「古典」―
1 戦後古典教育論の概観
2 「古典」科目独立の意味
3 益田勝実古典教育論の特徴
4 二分化批判の根拠
小括
第4章 精選と多様化の中の「国語科」像
第1節 高等学校国語科教育課程における「精選」の実相
―二領域一事項は何をもたらしたか―
1 「精選」の時代へ
2 「精選」の具体化――領域構成の変更と新科目構成――
3 「活動」の削除が意味するもの
4 教科書「国語1」の実態
5 本節のまとめ
第2節 二領域一事項の中の「国語表現」
1 「国語表現」の登場
2 「国語表現」の性格――「文章研究」に着目して――
3 教科書から浮かび上がる「国語表現」の姿
4 「国語表現」に対する現場の反応
5 「国語表現」の明暗
6 本節のまとめ
第3節 「現代語」の問題点と意義
―〔言語事項〕の科目化という隘路―
1 「現代語」の登場
2 科目としての特徴
3 科目イメージの形成に寄与する教科書の実態
4 「現代語」実践の様相
5 教科構造上の問題点と意義
小括
終章 高等学校「国語科」における教科構造史の試み
第1節 領域構成の変遷からみえるもの
第2節 科目分化とその構造
第3節 教科構造を映す鏡としての国語教科書
第4節 「国語科」像の変遷から見えるもの
主要参考文献
あとがき
事項索引
人名索引